【初心者小説】003.統合失調症の男

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この記事は初心者の私が書いた小説の第3弾になります。

どうもです、「HCap」を執筆しているエドゴンです。
この記事は下記のような方に向けて書いてます。

・小説が好きな方
・初心者の小説に興味がある方
・小説を気軽に読んでみたい方
・統合失調症の方
・「HCap」に興味がある方

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序章

統合失調症である東豪(とうごう)くん。
一人暮らしをしていて、働いてはいないですが、障害年金生活をしています。
30歳。

最近になって調子を崩し、寝ている時間が増えてきています。
なんとか正気を保ってきてはいたのですが、ついには、幻聴に悩まされるようになりました。

最初はよくわからない雑音程度の幻聴でしたが、はっきりとした人の声として聞こえるようになりました。
そして幻聴と会話をするようになったのです。

幻聴「殺せ!」
ついに東豪くんは幻聴から恐怖の言葉を聞くことになりました。
とても恐ろしい言葉ですね。
東豪くんは言い返しました。
「誰を殺せというんだ?」

確かに幻聴から恐怖の言葉は聞きましたが、誰を殺すのか心当たりはなかったのです。
殺したい相手もいないし。
もういい加減黙ってくれ。

日に日に幻聴の声はエスカレートしていきました。
幻聴「ひき殺せ!」

なんで僕が人をひき殺さないといけないんだ?
いったい誰をひき殺せというんだ?

東豪くんは徐々に心がむしばまれていきました。
「俺がひき殺せばいいのか?」
少しずつ、幻聴の要求を飲み込むようになったのです。

眠ることもできなくなり、寝不足の状態になりました。
また、主治医から処方されているお薬も飲まなくなりました。
通院はキャンセルをしてしまったのです。

東豪くんは悪循環におちいっていきました。
幻聴はさらに具体的な言葉を投げかけてきました。
幻聴「レンタカーを借り、児童の列に車で突っ込め!」

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レンタカーで児童の列に?

お薬を飲まなくなり、幻聴の言葉もさらに具体的に。
東豪くんはその具体的な言葉に従った方がいいのかなと考えるようになったのです。

幻聴「さあ明日レンタカーを借りてこい」
東豪くんは耳を塞ぎましたが、幻聴は聞こえてきます。
明日レンタカーを借りた方がいいのか?

東豪くんは正常な判断ができなくなっていました。
幻聴と会話を繰り返すうちに、そしてお薬をやめてしまったために。
主治医に相談をすることも拒否してしまいました。

翌日。
東豪くんはレンタカーショップにいました。
幻聴「大きめのサイズにしろ!」
東豪くんは大きめのサイズの車を選びました。
大きめのサイズの方が、ダメージが大きいと思ったのです。

ついにレンタカーを借りました。
朝の8時。
児童の列があちらこちらに見えます。

幻聴「児童の列に突っ込め!」
東豪くんは、もう幻聴の言葉に、従わなければいけないと思い込んでいたのです。
そしてついに。
「うわー」
どっかーん!!

児童の列に車が突っ込む事件が起きました。
救急車と警察が、現場に到着。
救急車は怪我をした児童を運んでいます。
警察に東豪くんは捕まってしまいました。

警察の取り調べが始まった、そして裁判へ

警察に捕まった東豪くん。
取り調べが始まりました。

東豪くんは、今までの経緯や、幻聴が聞こえていたこと、全てを正直に話しました。
警察「だいたいのことはわかった」

警察からの報告で、今回のひき殺し事件で児童は6人が死亡したことがわかりました。
大変なことをした。
東豪くんは落胆しました。
大切な人の命を奪ってしまったのです。
しかも児童なので、これからの楽しい未来が一瞬にして奪われてしまった。
しかも6人も。

東豪くんはどんなつぐないも受ける覚悟でした。
これだけのことをしたんだ。

裁判が始まりました。
6人の児童の殺人容疑です。

東豪くんは、幻聴が聞こえて正気ではなかったことを伝えました。
レンタカーを借りて、児童の列に突っ込めと具体的に命令されたこと。
正常ではなく、お薬が飲めなくなったこと。
主治医に相談できなかったこと。

裁判官の判断は。
なんと、懲役5年でした。
6人も殺害をしてはいましたが、統合失調症のため正常な判断ができなかったと認められたのです。

刑務所、そして精神病院に入院

刑務所では薬物治療をしながら療養をしました。
そして、元の体調にようやく戻り、お勤めを果たします。
5年で済んで良かったのか悪かったのか?
東豪くんは刑務所で、どんな状況でも決して犯罪はいけないことだと改めて考えました。

6人もの命を奪ってしまった。
しかも将来のある児童たち。
深く反省をしました。

そして刑期が終わり、精神病院に入院となりました。
東豪くんはここでしっかり治して、退院をしようと決意しました。

精神病院では男女混合の閉鎖病棟でした。
毎日退屈な日々が続いていましたが、一人の女性と仲良くなりました。
ゆうこさんといいます。
ゆうこさんのお陰で体調がみるみる良くなっていくことが実感されました。

そしてしばらくして、ゆうこさんと退院後の話をするようになりました。
ゆうこさん「退院後はいろいろなところに遊びに行きたいね。」

主治医の許可も出て、精神病院から2人とも無事に退院をしました。
長い長い、刑務所生活と精神病院生活がついに終わったのです。

あれだけのことをしたんだ、恵まれている方かな?
東豪くんは考えました。
これからはどんなことがあっても、薬はやめない。
主治医には正直に相談をすることを心に誓いました。

ゆうこさんと…

反省をした東豪くん。
退院後はゆうこさんと一緒に過ごしました。
楽しい時間が過ぎました。

あれだけのことをしたのに、こんなに幸せな気持ちになれるなんて。
もう全てゆうこさんのお陰かな?
二人は結婚をし、子供も授かりました。

児童を6人もひき殺したのに、自分に子供ができるなんて、考えたこともありませんでした。
そして、病気もすっかりよくなりました。

あの時の幻聴はいったいなんだったのか?
なぜ殺せと言われなければならなかったのか?
今となってはわかりません。

でも東豪くんはゆうこさんと幸せを掴みました。
「この子のためにも、頑張らなきゃな。」

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今日のあとがき

初心者小説の第3弾はいかがでしたでしょうか?
半分ハッピーエンドでしたね。

統合失調症はとても恐ろしい病気です。
簡単に人の命まで奪えてしまいます。

現在、病気にかかっている方は、私も含めて、しっかり治療をしましょう。
治療を継続すれば、きっと楽しい未来が待っていることでしょう。
希望を捨てず、慌てず、ゆっくりと。

以上、【初心者小説】003.統合失調症の男、という話題でした。

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HCap(エイチキャップ、ハンディキャップ)を運営しているedogonと申します。
統合失調症を患い3年間入院をしていました。現在は退院し、精神障害者向けグループホームに入居しました。障害年金2級を受給しています。生活費4万、借金返済2万で節約生活を実践!統合失調症やグループホームについての体験談をブログやYouTube、ツイッターで情報発信しています。就職せずに起業をします!!

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