この記事では、初心者小説の第40弾といたしまして、「人喰い大蛇」をお送りします。
※この写真はイメージです。
どうもです、「HCap」を執筆しているエドゴンです。
この記事は下記のような方に向けて書いてます。
- 小説が好きな方
- 初心者小説を読んでみたい方
- 昔話に関する小説を読んでみたい方
- 手軽に読める小説を読んでみたい方
- 「HCap」に興味のある方
序章
昔々、あるところに一つの村がありました。村人たちは質素ではありますが普通に生活をしていました。しかししばらくすると村に大蛇がやってくるようになったのです。どうやら村の近くの谷に大蛇が棲みつき、お腹を空かせた頃に村にやってきては村人を食い殺すようになりました。
大蛇はそれはそれはおぞましい大きな体を持っていました。
大蛇「はっはー、我は大蛇。毎年生贄を捧げよ。そうすれば村人をむやにみ食い殺すことはやめよう。」
村人「本当ですか。」
大蛇「生贄には若い女を差し出せ。」
村人「わかりましたー。」
大蛇と村人は約束をしました。しかしこれで引き下がる村人ではありません。村人は大蛇のあとを付けていき、大蛇の住処を特定しました。
村人「大蛇め。こんな谷に住み着いていたのか。村人が数えきれないほど食い殺された。許さんぞ。」
作戦会議
村人たちは作戦会議を始めました。
村人A「許さん、大蛇め。」
村人B「大蛇の居場所は突き止めた。これ以上犠牲者を出すわけにはいかん。」
村人C「生贄なんぞやる必要はない。」
村人A「もう10人以上は犠牲者が出ているな。」
村人B「酷すぎる話だ。」
村人C「大蛇の住処に火を放ってみてはどうかな?」
村人A「それはいい。よし、火の用意だ。」
村人たちは火を用意しました。
村人B「これであの化け物大蛇もイチコロよ。ふはっはは。」
村人C「早速、大蛇の住処に行こうではないか。」
火を放て
大蛇の住処に来た村人たちは火の準備をしました。
村人A「火の準備だ。」
村人B「準備はいいか?」
村人C「火を放て!」
ぼおぉぉ。
火が瞬く間に大蛇の住処に広がっていきました。
大蛇「ぎょえぇぇぇー。」
村人A「はっはー。何人も村人を食い殺された恨みを受けるが良い。」
村人B「燃えろ燃えろ。焼け死ねー。」
村人C「これで村は救われるぞ。」
村人たちは村へ帰っていきました。今夜は勝利の晩餐です。
大宴会
村人A「宴じゃ宴じゃ。勝利の宴じゃ。」
村人B「明日にでも大蛇の焼け焦げた後でも見に行ってみるか。」
村人C「それは良い考えだ。念の為にな。」
村人たちは大蛇の死のお祝いの宴を明け方まで楽しんでいました。これで村は救われたとみんな大はしゃぎです。
翌朝。
村人A「それでは大蛇の死骸を見に行くぞ。」
村人たちはこの目で大蛇の死骸を確認しに行きました。そして大蛇の住処に辿り着きました。
村人B「かなり激しく焼けたようだ。焼け跡がすごいな。」
村人C「これではいくらあの大蛇でもひとたまりもないだろう。」
村人たちは大蛇の死骸を探しました。
村人A「大蛇の死骸がない。」
村人B「これだけ激しく燃えたんだ。燃え尽きたのだろう。」
村人C「蛇だから骨もなかったんだろうな。」
大蛇「この恨みはらさでおくべきか」
村人は奇妙な声を聞きました。
村人A「何か言ったか?」
村人B「どうした?」
村人A「何か身の毛もよだつような声が聞こえたんだが?」
村人C「そうか?」
村人A「気のせいか。村へ帰ろう。」
大蛇の恨み
大蛇を焼き払ったという噂は村中に広がりました。しかし次の瞬間、これで一安心、という雰囲気は一変しました。
大蛇「しゃーー。しゃーー。」
村人たちは身の毛もよ立つような声を聞きました。
大蛇「誰じゃ、わしの家に火を放ったのは。」
村人A「まさか、大蛇が生きていたのか!完全に焼き払ったはずだったのに。」
大蛇「しゃーー。許さんぞ。約束は果たされなかった。村人全員食べ尽くしてくれよう。」
大蛇はガタイの良い村の男たちから順番に食べていきました。
村人A「ぎゃー。た、助けてくれー。」
村人B「やはり焼け跡を確認すれば良かった。」
村人C「俺は美味しくないよ。食べないでくれ。」
むしゃむしゃ。
大蛇「やはり男どもは肉が多くて美味しいのぅ。」
大蛇は男たちを食べ尽くし、次に女、子供を襲いました。
大蛇「しゃー。」
女の村人「火を放ったのは男たちが勝手に行ったこと。女と子供は見逃してもらえませんか?」
大蛇「何を!命乞いをする気か。駄目じゃ。約束を破った責任は重いぞ。村人は全て喰らい尽くしてくれる。しゃー。」
恨みには恨みを
大蛇は村人全員を食べ尽くしました。女、子供は関係ありません。
大蛇「まさかワシの寝床を燃やされるとは思ってもいなかったぞ。大人しくしていれば良かったものを。」
恨みの負の感情は、また別の負の感情を生むことになり、連鎖は続いていきます。人を恨み、人に恨まれるような生き方はなるべく避けた方が生きやすいでしょう。
大蛇に食い殺された村人たちの恨みの感情が、この村一帯を支配し、「呪われた村」として後世に語り継がれたそうです。
今日のあとがき
私の初心者小説の第40弾はいかがでしたでしょうか?今回は昔話についての内容となりました。まだまだこれからだと思っています。また次回作もお楽しみに!
以上、【初心者小説】040.人喰い大蛇、という話題でした。
体にはお気をつけ、お過ごし下さい。
病気を患っておられる方は、無理をせず自分のペースで進んでいきましょう。
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